ワンパターンになりがち…。研修をいつもと違ったものにするためには?
社員に新たな知識を身につけさせたり、意識や行動を変えるために行われる企業研修。会社の将来を担う人材を育成していくために重要なものです。
一般的に知られている企業研修と言えば、ビジネススキルを教えたり、チームビルディン
グに特化した内容のものです。しかし、これらの内容も状況に応じて見直していく必要が
あります。毎年同じような研修を続けていれば、時代遅れになり、参加者側、主催者側の
モチベーションも共に落ちてしまうからです。
そこで今回は、参加者の興味を引けるような研修内容を挙げてみました。仕事において求
められる3つの要素、「整理」、「電話」、「話術」に焦点を当てた研修を紹介していき
ましょう。
①整理

「整理整頓」というと、一般的には家事の一環ととらえがちです。
しかし、仕事をしていく上でも整理整頓は業務の効率化に繋がるなどの効果があります。
身につけておきたいスキルの一つです。
「整理収納アドバイザー」と呼ばれる資格があります。
ハウスキーピング協会が主催する、1級から3級まである資格です。
この資格を有した講師による企業研修が全国で行われています。
片づけが苦手だった社員も整理整頓を学ぶことでより自分の仕事に集中できます。受講し
た内容をそのまま実践することで、業務の効率化につながるでしょう。
②電話

ビジネスにおいて電話応対も重要な要素の一つです。
これまで携帯電話、スマートフォンを使ってきた新入社員にも電話対応力が求められます。
日本電信電話ユーザ協会では全国で電話応対に関するセミナー・研修を行っています。
「クレーム電話応対」、「電話応対コンクール」、「電話応対技能検定」など、受講者の
目的に合わせたさまざまなカリキュラムが用意されています。
携帯電話の普及以来、固定電話を使わなくなってきた家庭もあります。
しかし、携帯電話、固定電話を問わず、社会人としての電話応対スキルは依然として不可
欠なものです。
スマートフォンが普及した現代だからこそ、より電話応対に対する需要は高まっていくの
ではないでしょうか。
③話術

職種問わず求められるのが話術。
相手に思ったことを「伝える力」を持った人材はどの職場でも重宝されるでしょう。
最近では、プレゼンや営業における商談など実践で使えるトーク力を鍛えるために、「落
語」を使ったビジネスセミナーが開かれています。
言葉を伝えるプロである噺家さんによるセミナーです。
ビジネストークと落語には一見関係がないように思えます。
しかし、落語にはビジネスに応用できる要素が詰まっています。
「マクラ」と呼ばれる落語の手法があります。
お笑いでいうところの「ツカミ」です。
プレゼンでも営業の商談でもいきなり本題に入ってしまうと聞き手に緊張感を与えてしま
います。雑談から入り相手の反応を見ながら本題に入ることで相手をリラックスさせ、よ
り内容を伝えやすくなります。
「ツカミ」を学んでおくことでビジネスにおいて活きる場面もあるのではないでしょうか。
試してみたい工夫ポイント
これまで具体的な研修の中身について紹介してきましたが、その他でもちょっとした工夫 で今までの研修をより良いものにできます。
研修をロールプレイング等参加型に変えてみる
研修というとどうしても講師と受講者と二つの立場に分かれがち。人によって受講意欲が 当然変わってきます。そこでロールプレイングでの受講者参加型の研修にすることで「人 前で恥をかけない」という人間の心理がはたらき、緊張感が芽生えます。これはとても効 果的です。
受講者に次回の講師役を任せてみる
こちらは緊張感をより高めるために効果的な手法です。次回の講師になるということで、 一言も聞き逃せないという状況となるでしょう。さらにインプットしたことをアウトプッ トすることで、理解度を高めることもできます。また、意欲的なメンバーは自ら次回の講 師になりたがるということもあるようです。
研修内容を撮影し、振り返りをする
まず、動画を撮影することで記録として残るため、講師も受講者も緊張感が生まれます。
研修終了後も動画を見直すことにより研修を客観的に振り返ることができます。反省点を
踏まえて次回に活かしましょう。また、研修に参加できなかったメンバーにも動画を見せ
ることもでき、効率的といえます。今はスマートフォンだけでもハイクオリティな動画を
撮影できますので、特別な準備は必要ありません。ただし、情報の漏えいには気をつけ
る必要があります。
例えばこのような工夫を加えることで、今までなんとなく受けていた研修に緊張感や当事
者意識が生まれます。
様々な手法を試して研修内容を改善していくことが重要です。